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保育をみる目 ~先生って何だろう~

(4歳児)46分/1979(昭和54)年/文部省特別選定
DVD一般販売価格:50,000円(税別)施設内貸出・施設内上映可
DVDライブラリー価格:75,000円(税別)団体貸出・館外無償上映可

製作意図

 保育のむづかしさ、大事さは何でもない日常の中にあると思います。ともすれば、特別な条件で、特別のことを仕組んだ効果を、映画が期待されることが多いのですが、比のフイルムでは日常の保育者の感性、子どもへの洞察、自由な創造力がいかに子どもを育て豊かにしてゆくかに気づいてもらいたいと思いました。目でみただけでは捉えにくい子どもの内面を、子どものつぶやきを通して保育者とは何かを、カメラとマイクで探ってみました。

あらすじ

 三学期一月末の四才児の朝、子どもたちはそれぞれに仲間を待っています。ヒューとかキャーしかかいてない絵本をつくった子や、知っている形を全部並べたお手紙をかく子、どろんこ遊びをする子どもたちは、自然に言葉にメロデーがついています。砂と水とどんな量でまぜ合わせれば、固くなるのかやわらかくなるのか、手や体中で感じています。
 新聞をたてに裂いたものをこまかくちざります。ちぎるって案外むづかしいのです。投げれば、雪合戦みたいです。だからちぎったものをおだんごみたいに丸めると固くなります。体の中につめこむと、いくらたたいても痛くない。新聞っていろいろふしぎです。新聞でクラス全員、一枚づゝおにぎりののりをかぶせていきました。みんなでつくったら大きなボールになりました。ぶつてもけとばしても、ラケットでたたいても平気です。
 雪の降った日、先生が罐のふたを外に出していたので、そこに丸いものがたくさんできました。丸いものが空から落ちてきたのかな、手でさわるときりんの形になったり、鉄砲になったり、地図みたいになつたりします。雪を集めて、ボールにして、缶の中でわるい奴とよい奴でころがして遊ぶと、わるい奴はやせて水になったりします。雪のボールはきざむとシャーベットみたいです。
 8という数字だってお顔を画いて手足を画けば、お人形にもなり、横にすればリボンにもなり鳥にもなって、8の字の探険はいっぱいできます。
 雨のしずくは、ダイヤモンドみたいに色々な色に光っています。とってみればお水のようです。雨はお砂場の足あとを消してしまいました。水をしらべれば、犯人がわかるでしょうか。
 どろぼうになって、幼稚園の絵本とガムテープをぬすんでかくしてみよう。椅子を並べて布をかぶせてかくしちゃおう。ふじんけいさつかんが、風呂しき包むのを手伝ってくれたけれど、そのあと追いかけられてしまいました。友だちと遊がのは、ほんとにゆかいです。

「保育をみる目」をみて

中川李枝子

 四才児の取って置きの一番いい姿を、あるがままの状態で存分に見せてもらい本当に面白く、一人一人なんて可愛いのだろうと溜め息と涙が出ました。幼児ならではの活力あふれる真剣そのものの表情は、毎日一緒にいたとしても、そう安々と見せてもらえるものではない筈。子供を尊重する誠実な保育があってこそ、かくも美事に生まれたのだと思います。
 幼児は遊びながら育ちます。幼稚園にしろ保育園にしろ、彼らがそこへやって来るお目当ては、先ず「遊び」にあると私は考えます。
 家にいたのじゃ、相手、場所、道具など満足できっこありません。彼らは知恵のありったけをしぼり出し、体力を消耗しきるようなスケールの大きい遊びを求めています。そして遊びの中でとてつもない経験をし、生きていくのに必要な様々のことを学ぶのです。まさに遊びは育つ上での大切な栄養源です。
 頭で考え、心で感じ、身体を使って行動する。この三拍子揃った遊びができれば人間はちゃんと一人前になれると私は思います。
 子供を上手に遊ばせる先生こそ、最も優秀な保育者といえるのではないでしょうか。その為には、先生自身が柔軟で強靱で敏感でなくてはなりません。大変むずかしいけれど、保育は手応えのある楽しい仕事です。日常の保育の中で幼児の一番いい姿を直接見ることのできる先生を私は尊敬し、いつも羨ましく思っていました。今、この映画を見て、更にその感を強くした所です。

創造的で確かな保育のために

-保育をみる目を養おう-

文部省幼稚園教育課 森上史朗

 プロとしての保育者は、ただ漠然と教材や活動を選んで子どもたちに与えたり、或いは遊び相手になってやると云うだけでは、その役割りを果たしていることにはなりません。プロであるためには、次にあげる条件が必要です。
 第一には「なぜ」その教材や活動を取り上げ、「何のために」取り組ませるのかと云う確かなめあてを持って保育に当たることが必要です。しかし保育者のねがいやねらいだけが先走って、一方的な押しつけにならないように、子どもたちの興味や要求をしっかりと把え、それを保育の目標に向って方向づけ、活動を組織化していく必要があります。それが出来ると云うことが第二の条件です。
 第三には、活動の停滞や発展の要因を見究め、その発展とひとりー人の主体的な取り組みを促すよう適切な働きかけをすることです。
 第四には活動が相互に関連し合い、又、前の活動が後の活動の布石になって、つみ重ねられていく、そう云った長期的な見通し(指導計画)を持って保育を進めることです。
 保育者がプロであるなら、保育雑誌の借りものや慣習と惰性の保育から脱脚して、以上の諸点を的確に把えられるような確かな「保育をみる目」を持ち、創造的な自分の保育を創り出せるようでなくてはなりません。それにはひとりの力には限界があります。ひとつの保育について、異った見方、考え方の保育者が、いろいろな立場、さまざまな観点でディスカッションすることによって相互に啓発され、それぞれの「保育をみる目」を広げ深めていくことが大切です。
 この映画は、保育のモデルを示そうとしているのではなく、以上のような趣旨にもとづいて製作されたものです。保育現場や養成機関において、本来の趣旨にそって、十分に活用されることを願って止みません。

    主な対象

  • 現職教員
  • 学習援助
  • 保育者養成学校