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ビジュアル教育心理学入門 全10巻

DVD各巻:一般販売・ライブラリー価格:60,000円(税別)
各巻約30分
ビジュアル心理学入門

 少子化による若年層の人口減、高齢化による教員不足が急速に進む今日の日本。現代社会に対応できる教員の資質向上と教員不足を補うための養成は我が国の急務な課題です。教職課程のうち教育心理学系の専門科目は、教育心理(中・高校生の発達と学習)、教育方法・技術・評価、生徒指導・教育相談。進路指導で構成され、教育心理はその基礎となるものを扱うことが期待されています。
 「ビジュアル教育心理学入門」は、教育心理学が担う青年期の心身の発達や学習過程に加え、今日的な課題や傾向についても取り上げ、教育方法や技術、生徒指導との関連やその基礎となるべき事項をドラマや再現シーンを用いて具体的に示す映像教材です。教育心理学の中核的な内容や事柄を分かりやすく解説し、青年期の子どもたちとどう向き合うかについて考えていきます。


青年を理解し、支援するために

三浦香苗

昭和女子大学教授 三浦 香苗

 青年期は、児童期と成人期の中間にあり、子どもから大人に変わる時期です。人間の一生の中でも最も変化に富み、かつその時期をいかに過ごすかはその後の一生を大きく左右する時期といわれています。また、現代の多くの青年たちは、この時期を中学・高校という学校の中で過ごします。学校教育の存在とそこでの在り様を無視しては青年を語ることも理解することもできません。
 「ビジュアル教育心理学入門」は、中学校・高校の教育職員免許状取得にかかわる「教職に関する科目」としての「生徒の心身の発達及び学習の過程」を扱う「教育心理学」の授業を補助する教材として開発されました。この科目は、教職に関する授業科目の基礎理論に関する科目であり、「教育の方法及び技術」や「生徒指導、教育相談・進路指導などに関する科目」の基礎・導入としても位置づけられています。青年の発達や学習の諸側面にわたる内容の概観が期待されているために、受講生にとって魅力的な授業になっていないことが多かったと思われます。その側面の課題を各分野の専門家によって内容の精選とビジュアル化で分かりやすく解説したものがこのシリーズです。


1

青年期の特徴

指導:三浦香苗(昭和女子大学)

ビジュアル心理学入門1

 青年期には身体や運動能力以外に、内面的な精神構造にも大きな変化が生じます。その結果、文法や数学のような抽象的・論理的教科の学習が可能となり、自分を取り巻く現実や未来について批判的に考え、思考する世界も拡大します。また、大人の権威から離脱し、自立した人間になるよう努力し、新しい人間関係を構築しようとします。しかし、青年は経験も生活の知恵も十分には持っていません。この自己を取り巻く現状打開に、友人関係を通じて対処していきますが、信頼できる大人からの確認と支持も期待しています。
 この巻では、主として青年期(中・高校生の時期)の特徴を略述し、青年期の一般的理解を得ることを目的とします。同時に、社会の変化が激しく、期待されるものが多様化・変動している今の社会の中で、大人への過渡期にある青年を支援するにはどうすればいいかを幾つかの側面から具体的に考えていく次巻以降の導入の役割を果たします。

2

動機づけとやる気

指導:大芦 治(千葉大学)

ビジュアル心理学入門2

 動機づけとは学習に対する意欲、やる気などと言われているものです。どうすれば学習に対する意欲がわき、やる気がでるのか、あるいは、どうして人は無気力になってしまうのかといったテーマは教育心理学の中でも重要なテーマの一つです。人は試験で良い点数を採るため、他人から褒められるためだけに動機づけを高めるのではありません。自分の興味、関心などに由来する自律的な意欲、つまり、内発的動機づけを高めることができます。また、動機づけを維持するためには自分のことは自分でやっているという感覚を持っていることが重要です。それがないと人は自分ではやっても無駄だという気持ちになり学習された無力感といわれる状態に陥ってしまいます。
 この巻では、そうした内発的動機づけ、学習された無力感など動機づけに関するさまざまな実験の紹介を通して、教育場面で動機づけを高めることの意味、方法などについて考えていきます。

3

学習方法と評価

指導:岸 学(東京学芸大学)

ビジュアル心理学入門3

 学習指導の活動をとらえるために、4つの視点から説明をします。第1は、学習によってどのような知識・技能・態度などが獲得されるかです。特に、宣言的知識と手続的知識の獲得過程を中心に解説します。第2は、学習方法についてです。これは、学習者(児童・生徒・学生など)の視点に立ち、個人がどのように自分で学習していくか、すなわち自己学習を解説します。また、学習者のいろいろな特徴(学習スタイルなど)も紹介します。第3は指導方法についてです。これは指導者の視点に立ち、教授法、すなわち授業にはどのような方法があるか、授業をどのように実施していくかを解説します。また、最近行われているいるいろな新しい授業の方法も紹介していきます。第4は評価方法です。学習指導と評価活動とが両輪となって、学習の効果が上がります。評価の考え方、測定の手段としてのテスト法について紹介します。

4

学級の中の学習不敵応

指導:桑田良子(植草学園大学)

ビジュアル心理学入門4

 学習不適応の問題は、1つは学業不振、もう1つは勉強嫌い、やる気がないという形で現れます。この巻では実践的な視点から、学校教育現場で、学習意欲や学習方法などの学習活動の諸側面で気になる生徒、何らかの配慮なしでは学習活動を円滑に進めることが難しかったり、これからの学習に支障をきたすことが予想されたりする生徒なども含めて「学習不適応」生徒としてとらえ、その対応やかかわりのありかたについて考えます。
 最近特に問題になっている発達障害については、障害特性、認知特性を理解した対応が必要で、わかりやすい教材の工夫や授業展開が有効であることを、事例をあげ解説しています。また、「学習不適応」生徒には、単に学習支援だけでなく、学習態度の育成や心理面の支援、進路問題への支援など、幅広い観点にたった支援が必要であることから、学校体制としての取り組みにも言及しています。

5

自分探し

指導:笠井孝久(千葉大学)

ビジュアル心理学入門5

 中・高校生の時期の青年たちは、それまでの親や社会から与えられた行動基準ではなく、自分たちなりの行動基準で考え行動し、社会との関係を築いていこうと試みます。さらに、第二次性徴を伴う身体的な変化や友だち関係の変化、進路の選択など、さまざまな変化や課題への対応が求められます。これらの経験は不安や葛藤、失敗など、容易なものではありません。得意なものに熟中することにより、自分の可能性を発見したり、周囲から認められたりしながら、自分なりのやり方でそれらを乗り越えていきます。時に起こる親や社会の考えとの衝突や反抗的な振る舞いの背景には、「自分らしさ」、「自分とは何か」を模索する、自立に向かう心性が存在しているのです。
 この巻では「自分づくり」・「自分探し」をキーワードに、事例を通して、青年期の自立へ向かう心性とそれらを理解する視点、発達を支援する教育的関わりについて紹介します。

6

中・高校生の人格と情緒

指導:濱口佳和(筑波大学)

ビジュアル心理学入門6

 子ども達は小学校の高学年頃に思春期のスパートという急激な身体発育に直面します。そして子ども達は、これまでの自己との連続性の感覚を揺さぶられ、新しい自己を求める旅に出ます。「自分とはいったい何か?」青年期全体を通じて繰り広げられるアイデンティティの探求を縦軸にてこの時期の子ども達のパーツナリティ形成も進んで行きます。
 この巻では、まず人格(パーソナリティ)の概念を紹介した上で、自己愛、主張性、攻撃性など、青年期のパーソナリティ形成にまつわるトピックを紹介します。また青年期は孤独感や自己嫌悪感などネガティブな生活感情を持ち、情緒的に不安定になりやすい時期でもあります。特に対人恐怖心性と抑うつ傾向を取り上げ青年期の感情面の問題について解説します。

7

青年期の交友関係

指導:榎本淳子(東洋大学)

ビジュアル心理学入門7

 青年期において、対人関係の中心は親から友人へと移っていきます。青年は親から精神的に独立し始め、友人はその不安感を支える大きな存在となります。友人と心を通わせ、さらに様々生じる葛藤や仲間はずれは、青年にとって人間関係を学ぶ糧となり、また自分自身に目を向け、新たな自分に気づくきっかけともなります。このように青年期の友人関係は、親からの自立を支え、自己を獲得する過程で重要な役割を果たしています。ではその実際はどのようなものなのでしょうか。青年期と言っても、中学生と大学生とでは友人との関係の持ち方は異なります。また特に近年では友人関係が希薄化している、青年が状況に応じて友人を使い分けていると言われています。
 この巻では、青年期の友人関係の重要性とその機能と発達的変化を紹介しつつ、近年の友人関係の特徴についても再考し、教員は交友関係にどう関与すべきかを考えていきます。

8

教育とメディアの諸問題

指導:中澤 潤(千葉大学)

ビジュアル心理学入門8

 マンガ・アニメ等、世界中の若者に大きな影響を与えている日本の若者文化。インターネット・ブログ、携帯電話等、身近に情報の受信と発信の道具を持つ若者たち。この巻では、メディアの役割やその影響、メディアとの適切な関係のあり方等を考えていきます。
 まず、若者文化の中で大きな位置を占めているマンガは、なぜ分かりやすいのか、またマンガを読むリテラシーについて考えます。またテレビやインターネット等のメディアでは正誤多様な情報が混合して提示されており、これらの中から適切な情報を読み取るメディアリテラシーは現代の若者にとって重要なスキルです。そのためにも、与えられた情報を鵜呑みにするのではなく、批判的に検討することが重要です。さらに、テクノロジーの発展は若者の創造性を支える多様な情報発信手段を提供しています。情報の発信を体験することは、情報の理解を促します。青年にとってのメディアとの適切な関係を考えます。

9

不適応と問題行動

指導:田中奈緒子(昭和女子大学)

ビジュアル心理学入門9

 青年期は大人への移行期です。そのため、その時期にあたる中・高校生においては身体、性、対人関係、社会的役割と様々な面で大きな変化が起こります。このような変化の中で、両親や教師など権威者との葛藤、自己評価の揺らぎ、気分の変動など、様々な問題を抱えがちです。そしてその問題は、不適応や問題行動として顕在化することがあります。不適応は、「身体症状」「精神症状」「外的な行動」という3つの次元の現象として現れてきます。不適応の外的な行動である問題行動は、社会を観点とした表面的な特徴から、「反社会的行動」と「非社会的行動」に大別できます。
 この巻では、「非行」と「不登校」を取り上げ、その実態を概説し、彼らの心理状況について解説します。さらに中・高校生の不適応と問題行動に関する理解と支援についても考えていきます。

10

若者の性行動

指導:福富 護(東京学芸大学名誉教授)

ビジュアル心理学入門10

 初経や精通などの第二次性徴の発現に象徴される性的成熟は、青年期の始まりを示す身体的な変化ですが、身体のみならず青年の心理や行動に対して多大の影響を及ぼします。しかしながら、特に教育の場では、青年の性意識や性行動に対して抑圧的な姿勢が根強く、十分な対応がなされていないのが現状です。性的成熟を大人に向かう発達的変化と考えるなら、抑圧的な姿勢をとるだけでは、性的に自立した大人になるための道筋を閉ざしてしまうことにもなりかねません。性的成熟とともに沸き起こる性的関心や性的行動に直面し、時に悩み、戸惑っている青年に対して、教師(大人)として十分な対応をするためには、性を考える視点を自ら確立させる必要があります。それというのも、性をどのように考えるのかそれ自体に、考える側の価値観が如実に反映されるからです。
 この巻では、現代社会の中で性意識や性行動を考えるための枠組みを、価値観との関連を含めて、解説します。