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販売作品のご案内



ビジュアル生涯発達心理学入門 全10巻

DVD各巻:一般販売・ライブラリー価格:60,000円(税別)
各巻約25分
ビジュアル生涯発達心理学入門

 動機の理解しがたい出来事が頻発する現代社会。その対応に社会全体が苦慮しています。私たちの心の中ではどんな変化が起こっているのでしょうか。
 人生の各過程での心の発達を研究する発達心理学は、近年の長寿化傾向と高齢化社会を背景に成人期から高齢期までも含む生涯発達心理学(Itfe‐span developmental psychology)として注目されています。
 「ビジュアル生涯発達心理学入門」は、人間の誕生前後から死に至るまでの一生涯を対象とし、基礎的な理論や発達の捉え方、研究方法などが視覚的に理解できる生涯発達心理学入門のための教材です。厳選された重要な事例を取り上lす、発達心理学の基礎の習得とより深い理解を目指す、現代の私たちの心を理解する映像作品です。



発達心理学を学ぶ皆様へ

田島

白百合女子大学教授 田島 信元

 「ビジュアル生涯発達心理学入門」は、大学で新たに発達心理学を学ぼうとしている方や、教育・保育の現場で、また医療系、福祉系施設で働きつつ、最近の発達心理学の動向を知りたいと考えていらっしゃる方々のための映像教材です。人の発達は母親の胎内にいるときから始まり、老いて死を迎える瞬間まで続きます。一生という広大な研究領城の全体像を、書籍や講義のみで把握するのはなかなか困難です。
 「ビジュアル生涯発達心理学入門」は、実験の実演や図解資料などを用いて発達心理学の研究を視覚的に理解できるよう制作しました。本教材の特色は、従来の幼児期から青年期までを扱う「発達心理学」の領城にとどまらず、成人期から高齢期までも対象に含めた「生涯発達心理学」として構成していることです。「新生児・幼児は無力、無能力」、「高齢者は衰退するばかり」といった古い発達観ではなく、各世代が本来的にもつ能力の高さを紹介し、人は一生発達し続けていく存在であることを解説します。「発達」という現象をどう捉えるべきなのか、発達心理学はどのような方法を用いて人の「発達」を研究しているのか、多彩な映像とイラスト、グラフ等の資料を用いて分かりやすく示します。発達心理学の理解と探求を志す多くの方にご覧いただければと思います。


1

生涯発達心理学とは 〜発達の仕組みと様相〜

指導:田島信元(白百合女子大学)

ビジュアル生涯発達心理学入門1

 人の発達は母親の胎内にいるときから始まっています。そして成長し、成人を迎え、いよいよ高齢期にさしかかっても発達は続いているのです。発達心理学の取り扱う「発達」とは何なのか。どのような仕組みで発達するのか、どのように発達が現れてくるのか。
 ここでは、発達心理学の前提ともなる「発達」そのものについての考え方を解説します。子どもの認知発達研究の礎を築いた二大発達心理学者、J.ピアジェとL.S.ヴィゴツキーの理論の紹介を通し、「発達心理学」が「生涯発達心理学」へと展開していった過程を解説。さらに、発達を客観的に測定する「観察法」「実験法」「テスト法」、そして人の考え方を測定する「面接法」「質問紙法」など発達心理学で用いられる主要な方法論についても紹介します。発達心理学とはどういった視点で、何を、どのように研究しているのか、ということの理解を目指します。

2

胎児期と新生児期 〜魅力に満ちたその世界〜

指導:川上清文(聖心女子大学)

ビジュアル生涯発達心理学入門2

 胎児や新生児は従来、「無力・無能で環境から受動的に影響を受ける存在」だとみなされ、医学や生理学の対象ではあっても、心理学の対象とはあまり考えられてきませんでした。しかし、最近の研究により、胎児や新生児は、想像以上の能力を持っていることが分かってきました。ヒトとしての発達は母親の胎内にいる時から始まり、生まれた直後から社会に訴えかける存在になります。胎児は外界の音を聞いており、また、嗅覚能力もあります。音やにおいなどの刺激に反応できる胎児は、心理学の対象であるといえます。さらに胎内から外界に出たヒトは、急激な発達を続けます。新生児は知覚、記憶などの認知能力を使って、周りの環境に順応していきます。そして、この時期に獲得する能力は、後の人生の基礎となるのです。
 ここでは、臍帯血流の測定など実験を交え、胎児や新生児が持つ能力を実証していきます。

3

乳児期 〜情動・認知発達の基礎〜

指導:田島信元(白百合女子大学)

ビジュアル生涯発達心理学入門3

 なぜ赤ちゃんは泣くのでしょうか。乳児が泣く行為は従来、泣いている赤ちゃんをどう受け止めるか、という親の感受性という視点で捉えられてきました。しかし泣くという行為によって、乳児が母親をコントロールしているとも解釈できます。言葉を話せない乳児にとって、「泣き」は、最も有効なコミュニケーションの手段です。親と子は、相互に影響を与えながら関係を形成していきます。この相互交渉を通して、乳児は母親に対して徐々に愛着を形成していきます。そして1歳を過ぎる頃から母親を安全基地にして、環境への積極的な探求を始めます。こうした人間が環境と効果的に相互交渉する能力を「コンピテンス」といいます。乳児期はコンピテンスが発達し、その後の情動・認知発達の基礎を作る重要な時期なのです。
 ここでは、乳児のコンピテンスの発達を泣きの変化、遊び方の変化を例に解説し、アタッチメントについてストレンジ・シチュエーション法を見ながら解説します。

4

幼児期I 〜表象の獲得〜

指導:鈴木 忠(白百合女子大学)

ビジュアル生涯発達心理学入門4

 幼児期の大きな発達的変化の一つに、表象の獲得があります。乳児期の子どもは、触れる、見る、聞くといった知覚や感覚をもとに行動をしてきました。それに対して、幼児は、記憶や知識、イメージなどを使って頭の中で考えること〜すなわち表象活動を始めます。人間は、具体的に目に見えているものを抽象化したり、目に見えていないことを仮想的に考えたりすることができます。幼児期は、そうした表象操作が可能になる時期です。表象を使い始めたばかりの幼児のものの考え方には、大人とは異なるユニークな点があります。それは子どもが「未熟だから」ではありません。彼らなりに筋道の立つものの考え方をしているのです。
 ここでは、表象を獲得する幼児がどのように物事を理解しているかを、数の保存、空間認知、描画、心の理論の実験を題材にして紹介します。

5

幼児期II 〜社会性の発達〜

指導:上村佳世子(文京学院大学)

ビジュアル生涯発達心理学入門5

 幼児期は、コミュニケーションスキルが身につき、他者との関係のみならず、自分自身にも目が向く時期でもあります。子どもの言語、遊び、自己意識の発達は、親や仲間などの周囲の親しい他者との関係の中で培われるものであり、子どもの発達がその社会的関係を変容させていくともいえます。
 ここでは、言語獲得の理論、コミュニケーションスキルや遊びの発達という側面から、幼児期の子どもの理解を深めるとともに、その社会的、言語的環境を提供し共有する他者の機能について考察します。子どものこのような周囲の世界の理解と関係づくりに焦点をあてると同時に、自分自身の認識を形成していく過程についても取り上げます。さらに、子どものコミュニケーションスキル研究の一事例として、家庭における観察法についても触れます。

6

児童期 〜教室環境での発達〜

指導:宮下孝広(白百合女子大学)

ビジュアル生涯発達心理学入門6

 児童期の発達を考えるとき、入学というライフイベントが大きな意味を持ちます。読み書き算をはじめ、生活に身近な事柄であれば、かなり高度な内容まで習得していきます。教室で築かれる子ども同士の関係は、友達として、学友として、またライバルとして広がりも深まりも増していきます。
 ここでは、学校環境のもとでの発達を、認知発達と社会性の発達の側面から見ていきます。認知発達の側面では、幼児期までの基本的な認知の構造と機能の発達をもとに、それらを意識的に使いこなしていくメタ認知の発達が特徴的です。一方社会性の発達については、人間の複雑な心的世界の理解の深まりとともに、対人関係。社会関係のネットワークの中で適切に振舞う経験が蓄積されていきます。また、児童期は発達における様々な問題が顕者になってきます。軽度発達障害と、その対応を主な課題とする特別支援教育についても見ていきます。

7

青年期 〜アイデンティティの統合〜

指導:大野 久(立教大学)

ビジュアル生涯発達心理学入門7

 アメリカの白我心理学者エリクソンは、人生を8段階に分け、人間の人格発達を理論化した漸成発達理論を提唱し、青年期は、自分の人生を見定め、アイデンティティと呼ばれる自覚、自信、自尊心、責任感、使命感、生きがい感をつかみ取る時期であるとしました。その意味で人生の中で最も重要な時期であるとしました。
 ここでは、アイデンティティの意味する内容、「アイデンティティ・ステイタス」と呼ばれるアイデンティティ統合へのブロセスの分析の枠組み、「アイデンティティのための恋愛」と呼ばれるアイデンティティの未熟さが恋愛において現れる具体的な現象などを解説します。さらに、質問紙調査と面接法を組み合わせた、アイデンティティ研究の1つの具体的な研究技法も紹介し、青年期研究のための有効な概念枠と研究法の指針を示します。

8

成人期 〜他者・社会との関わり〜

指導:大日向雅美(恵泉女子学園大学)

ビジュアル生涯発達心理学入門8

 成人期は青年期に見出したアイデンティティをより具体化し、諸課題を解決していく時期です。職場や家庭、地域社会において他者と関わる中で、自分らしい生き方を構築していきます。会社の同僚、妻や夫、子ども、地域の人々など他者との心の絆が、成人期のアイデンティティを満たす大きな支えとなります。成人期に経験する他者との関わりの一つがパートナーとの関わりです。結婚する。しないという選択も含めて、パートナーと関ることは、今までの社会的価値にとらわれない自己の実現や、適応の模索の一つです。こうした社会との関わりは、より成熟した人格の獲得にも繋がります。例えば「働くこと」は社会との接点の一つ。しかし、この時期の女性の再就職問題など、社会に参加したくともできないという現実もあります。
 ここでは、他者・社会との関わりという二つを主軸に、成人期の生き方と、現代社会における課題・問題について考えます。

9

中年期 〜人生の折り返し点からの発達〜

指導:下仲順子(文京学院大学)

ビジュアル生涯発達心理学入門9

 家庭内では親として子を養い、老いた両親の世話をし、職場内においては熟練した働き手として企業や社会を支えていく中年期は「板ばさみ世代」と呼ばれます。一見すると心身共に安定した人生の最盛期とも見えるこの時期、実は、様々な発達的変化が起きています。
 ここでは、エリクソンのライフサイクル論をきっかけに生涯発達心理学が中年期をどのように捉えているかを解説します。また中年期にとって最大のライフイベントとなる定年退職と子どもの独立によって引き起こる社会的役割の喪失について紹介します。定年に対する予期不安や夫婦のコミュニケーション不足による熟年離婚、退職によって起きる社会的役割の喪失、そして模索。中年期において起こる人生の転機としての問題を解説し、高齢期を見据えた中年期の発達課題を考察します。

10

高齢期 〜人生の完結〜

指導:下仲順子(文京学院大学)

ビジュアル生涯発達心理学入門10

 長い人生を越えてたどりついた高齢期、そこに生きる人達は一昔前の「老いた弱い人」ではありません。21世紀の高齢者は元気で活動的であり、人生経験を生かして、自立し、多様な価値観をもった集団といえます。かつての発達心理学では高齢者の様々な能力は一律に衰退するものと理解されてきました。しかし、近年の生涯発達心理学では生まれてから死に至るまでの人生を発達のプロセスとしてとらえ、そこでは様々な発達曲線が発見されています。
 ここでは、高齢期になると低下のみと考えられてきた記憶、人格、知能などの心理機能の新しい発達プロセスを紹介し、長い人生を歩んできた者のみに備わる「知恵」が高齢期ではどのように発揮されるのかを、現代の高齢者の新しい社会参加のスタイル「プロダクティブ・エイジング」から解説しつつ高齢期の最後の発達課題に高齢者がどのように向き合うのかをみてゆきます。