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映像で学ぶジェンダー入門
DVD全5巻

DVD全5巻セット ライブラリー価格:
DVD各巻 ライブラリー価格:

DVD全5巻/各巻約30分/対象:大学(社会学・教育学等)、各種教育機関/2021年1月発売

監修

加藤秀一

明治学院大学教授

映像で学ぶジェンダー入門

 多様性に富むグローバルな現代の文化・社会を理解する上で、ジェンダーは重要な視点の一つです。社会的に作り出された男女の違いを意味する「ジェンダー」という言葉は、今日、マスメディアや行政の場で広く使われています。しかし、その概念を正確に理解するには、ふだん私たちが拠りどころとしている常識の中に潜む矛盾や思い込みに気づき、それらを打ち破っていく必要があります。
 本シリーズは、学生たちにとって身近な事例を示し、最新の科学的知見に基づき、そこに深く関わるジェンダーの意味、その周辺に存在する問題に迫り、ジェンダーの視点を通じてより多角的な分析と理解ができることを目指した映像教材です。

➀男らしさ/女らしさ―社会を覆うジェンダー・ステレオタイプ―

 男らしさ、女らしさといった考え方は人の無意識に存在します。そうした考え方はしばしばステレオタイプ化し、多くの弊害をもたらします。「スイーツ男子」、「リケジョ」といった言葉の裏にどのような性別の固定概念が潜んでいるのか、また、教育の場においてそうした固定概念はどのような影響をもたらしているのか、ジェンダー・ステレオタイプを取り巻く多くの事例について考えます。また、フェミニズムやバックラッシュといったジェンダーを考える上で重要な事柄についても学びながら、様々な事例から身近なところにひそむ性別役割規範について考え、現代の社会における課題について考えます。

キーワード

性別の固定概念、ジェンダー・ステレオタイプ、スイーツ男子、リケジョ、ジェンダー・バイアス、ジェンダー・トラック、隠れたカリキュラム、男女共修、フェミニズム、ジェンダー・ギャップ、ジェンダー・ギャップ指数、バックラッシュ

映像で学ぶジェンダー入門写真1

➁多様な「性」

 ひと言に「性」と言ってもそのあり方は非常に多様です。日本の社会において、人は「男」か「女」いずれかの性別に割り振られ生活することが前提となっていますが、本当に性別とは男女の2つしかないのでしょうか。この巻では性自認、性役割、性的指向といったジェンダー学における「性」の考え方について学び、性のあり方の多様性について様々な事例をもとに考えます。また、LGBTをはじめとした性的マイノリティの存在、その当事者の抱える生きにくさなどの様々な問題についても触れ、多様な「性」を認める社会を作るうえで直面する多くの課題について考えます。

キーワード

同性愛、同性愛者解放運動、フェミニズム、性別格差・性差別、性的マイノリティ、性的マジョリティ、割り当てられた性別、性自認、ジェンダー表現、性役割、性的指向、LGBT、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、Xジェンダー、アセクシュアル、カミングアウト、アウティング、クィア研究

映像で学ぶジェンダー入門写真2

➂結婚・家庭におけるジェンダー

 結婚、家族のあり方について、以前に比べて近年は比較的多様なあり方が認められてきているといえるかもしれません。しかし「女は結婚して、子供を産むことが一番の幸せだ」「男は仕事をして女は家事をするものだ」といった価値観は根強く、そうした考え方は様々な弊害を引き起こします。この巻ではしばしばメディアでも取り上げられる夫婦別姓、事実婚といったテーマをはじめ、家事の分担、出産や子育てなど、結婚や家庭におけるジェンダーに関する様々な事柄について身近な事例をもとに考えます。

キーワード

結婚制度・家族制度、婚姻率、若者の結婚に対する意識、夫婦同氏制、夫婦別姓、選択的夫婦別姓制度、事実婚、家事の役割分担、専業主婦、共働き、産後うつ、母性、幼児虐待

映像で学ぶジェンダー入門写真3

➃労働とジェンダー

 「女性の社会進出」が謳われる昨今ですが、女性の労働環境は様々な面において多くの課題が残されています。労働においてハイヒール着用を強制されることに抗議する#KuToo(くーとぅ)運動は広く社会の関心を集めました。統計を見ても男女間の賃金格差は非常に大きく、性別による職務分離、マタニティ・ハラスメントといった問題も依然として存在します。この巻ではそうした労働におけるジェンダーの諸問題がどのようにして生み出されるのかを学び、これからの労働の在り方について考えます。

キーワード

#KuToo運動、#MeToo運動、ジェンダー・ハラスメント、マタニティ・ハラスメント、男女雇用機会均等法、男女の賃金格差、ジェンダーギャップ指数、正規雇用と非正規雇用、性別職務分離、ジェンダー・セグリゲーション、ジェンダー・ステレオタイプ

映像で学ぶジェンダー入門写真4

➄性暴力と性の商品化

 はしばしば商品化され、時に個人の尊厳を傷つける暴力となります。強制性交やセクシュアル・ハラスメントなど、性暴力には様々な形が存在しますが、その背後にはジェンダー・バイアスや歪んだ性規範が存在します。性暴力は被害者の視点で考えなければなりませんが、セカンドレイプなどに悩まされる被害者は後を絶たず、依然として多くの課題が残されています。また、近年は本人の意に反したアダルトビデオの出演強要などの問題が社会問題となっています。こうした性暴力や性の商品化について、身の回りに起こりうる様々な事例から学び、そこに潜む課題について考えていきます。

キーワード

性暴力、ジェンダー・バイアス、セカンドレイプ、性犯罪の再犯率、セクシュアル・ハラスメント、パワハラ防止法、男女雇用機会均等法、ジェンダー・ハラスメント、リベンジポルノ、性の商品化、アダルトビデオへの出演強要、日本の性教育

映像で学ぶジェンダー入門写真5

「身の回りの出来事を手がかりにジェンダーについて考える」

映像で学ぶジェンダー入門監修者

 この社会では、誰もが生まれ落ちた瞬間から「女」か「男」のいずれかの性別を割り振られ、それぞれに異なる地位や生き方を求められます。このように私たち一人ひとりの人生を枠づける「男らしさ」「女らしさ」の規範や、それを支える「男とはこういうもの「女とはこういうもの」という思い込みを「ジェンダー」(gender)と呼びます。ジェンダーとは、人間以外の動植物にもみられる雄/雌の違い(セックス)とは次元の違う、男女の社会的な分類を表す言葉です。
 もしもそれがすべての人々を幸福にする分類であったなら、ジェンダーがこれほどの社会問題になることはなかったでしょう。しかし現実には、ジェンダーは女性に対する差別や暴力と結びつくと同時に、男性たちの生き方の幅をも狭めているのです。各国における男女間のさまざまな格差を示す「ジェンダー・ギャップ指数」(世界経済フォーラム発表)のランキングをみると、日本は女性議員の少なさや女性の低賃金・非正規雇用などの要因によって、低い順位に甘んじています。女性に対する性暴力やDVが軽く見られ、被害者の救済が不十分にとどまっている現状もあります。
 これらに対して、企業や国に対して女性の雇用条件を改善させるための運動や、性暴力の被害に遭った女性への連帯を示す「#MeToo」運動などのフェミニズム運動が、改めて何度目かの盛り上がりを見せています。また、そのうねりと並んで、「LGBT」(同性愛者・両性愛者・トランスジェンダー)などの性的マイノリティの人々による反差別・権利獲得のための活動も、確実に社会を変えつつあります。
 こうした世界の「今」の動きを理解するために、まずは身の回りの出来事を手がかりに学び始めてみること、これがこの映像教材のねらいです。ここに収められた題材は、ジェンダーをめぐる広範な問題群のごく一部に過ぎませんが、この社会に生きる人であれば誰もがどこかで直面したり触れたりするような、身近なものばかりです。この教材の内容をめぐって友人たちと議論し、あるいは教員の解説をよく聴くことで、今まで見えにくかったジェンダーへの視野が必ず開けてくるはずです

加藤秀一(明治学院大学教授)